ご予約・お問い合わせ092-413-1818

  • HOME
  • 歯周病が糖尿病や心疾患と関係するって本当?全身への影響と歯科受診が重要な理由
治療の知識

2026-08-24

歯周病が糖尿病や心疾患と関係するって本当?全身への影響と歯科受診が重要な理由

健康診断で「血糖値に注意してください」と言われているのに、お口のことはあまり気にしていない、という方はいませんか?じつは、歯ぐきの状態が血糖コントロールに影響しているかもしれないと、近年の研究で明らかになってきています。「歯周病は歯ぐきだけの問題」と思っていたとしたら、ぜひこのまま読み進めていただけたら嬉しいです。

「歯周病は歯ぐきの病気」だけじゃない——全身疾患との関連が研究で示されている

そもそも歯周病とは?「静かに進む」ことが怖い理由

歯周病(ししゅうびょう)とは、歯の周りの組織——歯ぐき(歯肉)や歯を支える骨(歯槽骨)——が細菌によって壊されていく病気です。初期は「歯みがきで少し血が出る」程度で、痛みもほとんどありません。そのため気づかないまま進行してしまう方がとても多いのです。

日本歯科医師会のテーマパーク8020によると、歯周病は「生活習慣病のひとつ」に数えられており、日本人の40歳以上の約8割がこの病気に罹っているとされています[1]。さらに、厚生労働省の令和4年歯科疾患実態調査では、歯周ポケットの深さが4mm以上のやや進行した歯周病がある人の割合は47.9%と、ほぼ2人に1人という実態が示されています[2]。

「歯ぐきから血が出るのはよくあること」と流してしまいがちですが、じつはそのサインが全身の健康に関わっているかもしれないのです。

詳しくは歯みがきで血が出るのはなぜ?歯茎からの出血を止める方法と受診のサインもご参照ください。

歯周病菌が全身を巡るメカニズム

日本歯科医師会の情報によると、歯周病のある場所には歯周病原性細菌やその毒素、炎症物質(プロスタグランディン・サイトカイン)が存在し、これらが歯肉の毛細血管を通じて全身に搬送されると、心臓血管疾患、脳卒中(脳梗塞)、糖尿病の悪化、低体重児出産などを引き起こす危険性を高めることが分かってきました[1]。

つまり、お口の中の「慢性的な炎症」が、血流に乗って全身にじわじわと影響を及ぼしている——そのようなイメージで捉えていただけると分かりやすいかと思います。

歯周病と関連が指摘されている全身疾患

厚生労働省が設置した歯周病対策ワーキンググループでも、「糖尿病や循環器疾患などの全身疾患と歯周病の関係が指摘されており、口腔の健康と全身の健康が注目されている」と明記されており、歯周病対策は健康寿命の延伸を図る上でも重要と位置づけられています[3]。

下の表は、歯周病との関連が研究で指摘されている主な全身疾患をまとめたものです。

全身疾患 関連の概要
糖尿病(2型) 双方向に悪影響を及ぼし合う関係
心筋梗塞・狭心症 歯周病菌が血管に到達し炎症を促進
脳卒中(脳梗塞) 動脈硬化を介したリスク上昇
誤嚥性肺炎 口腔内細菌が気道に入ることで発症
早産・低体重児出産 炎症物質が子宮を刺激する可能性

歯周病と糖尿病は「双方向」に悪影響を及ぼし合う

歯周病は「糖尿病の6番目の合併症」

日本歯科医師会の情報によると、歯周病は「糖尿病の6番目の合併症」であると認識されるようになっており、糖尿病があると歯周病の進行が著しく促進されるとされています。特にヘモグロビンA1c(血糖の管理指標)が7%を超えると歯周病の悪化も早まるという指摘があります[1]。

健康診断でHbA1cの数値を指摘されている方は、お口の状態もあわせて確認しておく価値があります。

歯周病菌がインスリンの働きを邪魔する

日本歯科医師会のテーマパーク8020によると、重症化した歯周病では歯の周りの組織が弱くなって容易に出血するようになり、歯周病細菌の塊が直接生体に入り込むようになります。このとき体を守る免疫システムを高度に活性化する物質(悪玉物質)が多量に産生され、これがインスリンの効きを障害する物質と同じものであることが判明しました[1]。

さらに、日本歯科医師会が掲載するデータによると、歯周病はTNF-αという物質の産生上昇を介してインスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなる状態)を悪化させ、重度の歯周病を有する2型糖尿病患者では、歯周治療を行うことでCRP(炎症マーカー)やHbA1cが有意に減少するという報告もあります[4]。

歯周病を治療すると血糖コントロールが改善するケースも

糖尿病患者に配布している「糖尿病連携手帳」の中に、糖尿病の合併症として歯周炎(歯周病)が位置づけられており、歯周炎治療による口腔健康の維持が2型糖尿病の管理・治療において重要であることが認知されています[4]。

つまり、歯ぐきを健康に保つことは、血糖値のコントロールを助ける可能性があるということです。糖尿病を指摘されている方が歯科を受診することは、全身の健康管理の一部として非常に意味のある行動です。

当院・博多I’S歯科・矯正歯科では、「原因から向き合う」という治療方針のもと、単に歯ぐきの症状を処置するだけでなく、再発を防ぐための歯周病ケアに取り組んでいます。内科から「血糖値のコントロールに注意を」と言われている方が来院されることも多く、歯科と全身の健康を結びつけた視点でお口の状態を確認しています。

心疾患・脳血管疾患リスクとの関連——歯周病菌が血管に到達するメカニズム

口の中の菌が血管の壁を傷つける

歯周病と心疾患の関係は、少し意外に感じるかもしれません。でも、メカニズムを知ると「なるほど」と思っていただけるはずです。

循環器内科と歯周病科が共同で行った研究によると、歯周病の原因菌(ジンジバリス菌)は血管壁の細胞に付着・侵入する能力が高く、歯周病が原因となって細菌が血液中に侵入する「菌血症」を引き起こしやすい状態をつくります。また、歯周病がある人は健康な人と比べても、すでに動脈硬化になってしまった人も、血管の状態を悪化させ様々な病気になりやすいことが証明されています[5]。

動脈硬化(どうみゃくこうか)とは、血管の壁が硬く・厚くなる状態で、心筋梗塞や脳梗塞の大きな原因となります。歯周病菌はこの動脈硬化を進めるきっかけのひとつになりうる、というわけです。

誤嚥性肺炎のリスクとの関係

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)とは、食べ物や唾液が誤って気道に入ることで起こる肺炎です。高齢者の命に関わる病気として知られていますが、歯周病原性細菌を含む細菌が唾液に混じり、誤って気道から気管支・肺へ入ると気管支炎・肺炎(誤嚥性肺炎)の原因となります[1]。

日本歯科医師会の「健康長寿社会に寄与する歯科医療・口腔保健のエビデンス2015」でも、「口腔ケアが高齢者の誤嚥性肺炎予防に繋がることは既に社会的に支持されており、口腔ケアが人工呼吸器関連肺炎予防に繋がることは十分なエビデンスレベルにある」と報告されています[6]。

早産・低体重児出産との関係も——妊娠中のお口の管理は赤ちゃんへの贈り物

妊娠中の方にも、ぜひ知っていただきたい関係があります。歯周病原性細菌やその毒素・炎症物質が血管を通じて全身に搬送されると、低体重児出産などを引き起こす危険性を高めることが分かってきました[1]。

これは、炎症物質が血流を介して子宮にも影響を及ぼす可能性があるためと考えられています。妊娠前・妊娠中のお口のケアは、ご自身だけでなくお腹の赤ちゃんの健康にも関わってくるかもしれないのです。

定期的な歯科受診が全身の健康を守る「入口」になる

セルフケアだけでは落としきれないもの

「毎日歯みがきしているから大丈夫」と思っていませんか?じつは、歯周病の原因となる細菌の塊「プラーク(歯垢)」や、それが固まった「歯石(しせき)」は、丁寧にブラッシングしていても落としきれない部分があります。

歯ぐきとの境目(歯肉縁下)や、歯と歯のすき間にたまったプラークは、歯科医院での専門的なクリーニング(スケーリングや歯周病治療)で取り除く必要があります。家でできるセルフケアのポイントを一つあげるとすると、「夜だけはデンタルフロス(糸ようじ)を使う」こと。就寝中は唾液の分泌が減って細菌が増えやすいため、夜の歯間ケアは特に効果的です。

歯科受診でわかること、できること

定期的な歯科受診でできることは、歯の掃除だけではありません。歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)の深さを測る「歯周検査」を行うことで、歯周病の進行度を正確に把握できます。日本歯科医師会は「定期的な歯科受診によって歯周病の重症度をチェックすることが推奨される」と述べており、近年では医科領域でも糖尿病の管理の一環としての歯周病管理の重要性が浸透してきました[1]。

当院では、CT・マイクロスコープ・光学スキャナー(iTero5D)を導入し、肉眼では確認しにくい歯ぐきの状態も精度高く確認できる体制を整えています。新心会グループに所属し、総勢100名を超える歯科医師が在籍しているため、歯周病の状態に応じて各分野の専門家と連携した対応が可能です。

「痛みがないから大丈夫」が一番危ない

歯周病は初期段階でほとんど痛みを伴いません。厚生労働省の歯周病対策ワーキンググループの資料でも「歯周病は重症化するまで自覚症状がない『Silent Disease(サイレントディジーズ)』」と表現されており、自覚症状がないまま進行しやすい点が特徴です[3]。

「痛みがない=健康」ではなく、「定期的にチェックする習慣」こそが、歯周病と、それにつながる全身の病気を早期に防ぐ最も確実な方法です。

まとめ

  • 歯周病は「お口だけの病気」ではありません。 歯周病菌や炎症物質が血流を介して全身に影響を及ぼすことが、研究によって示されています。
  • 糖尿病と歯周病は「双方向性」の悪循環があります。 糖尿病があると歯周病が進みやすく、逆に歯周病が悪化するとインスリンの効きが低下し血糖コントロールが難しくなります。歯周病を治療することで血糖値の改善につながるケースも報告されています[1][4]。
  • 心疾患・脳卒中・誤嚥性肺炎・低体重児出産リスクとの関連も。 歯周病菌が血管や気道に入り込むことで、全身のさまざまな病気のリスクが上昇することが知られています[1][5]。
  • 歯周病は自覚症状が出にくい「静かな病気」。 厚生労働省の調査では15歳以上の約半数が歯周病の所見を持ちますが、痛みがないため見過ごされがちです[2][3]。
  • 定期的な歯科受診と毎日のセルフケアの組み合わせが重要です。 夜のデンタルフロス習慣と、歯科医院での定期的なクリーニング・歯周検査を組み合わせることで、歯周病の予防・早期発見につながります。

「歯ぐきから血が出ることがある」「健康診断で糖尿病を指摘された」という方は、お口の状態もあわせてチェックしてみてください。博多I’S歯科・矯正歯科では、「抜かない・削らない」を基本方針に、再発を防ぐための原因療法に取り組んでいます。平日夜20時まで、土日も診療しておりますので、忙しい方でも受診しやすい環境を整えています。24時間WEB予約も受け付けています。まずはお気軽にご相談ください。

[公式サイト・ご予約はこちら](https://hakatad-c.com/)(博多I’S歯科・矯正歯科 / 櫛田神社前駅すぐ)

はじめて受診される方は、初めての方へ(初診の流れ)もあわせてご覧ください。

参考文献

[1] 日本歯科医師会「歯周病と全身の関わり」テーマパーク8020 jda.or.jp

[2] 厚生労働省「令和4年歯科疾患実態調査結果の概要」mhlw.go.jp

[3] 厚生労働省「歯周病罹患の現状と対策について(第1回歯科口腔保健の推進に係る歯周病対策ワーキンググループ資料)」mhlw.go.jp

[4] 日本歯科医師会「歯周病と肝疾患(歯周炎と2型糖尿病の相互関係)」テーマパーク8020 jda.or.jp

[5] 公益財団法人日本心臓財団「だから怖い!歯と心臓の意外な関係」jhf.or.jp

[6] 日本歯科医師会「健康長寿社会に寄与する歯科医療・口腔保健のエビデンス2015」jda.or.jp

関連記事

の記事を見る

カテゴリ

当医院について

博多I'S歯科・矯正歯科では、痛みや不快感を抑えた治療を提供し、虫歯・歯周病・根管治療から、インプラントや審美歯科まで幅広く対応しています。

ご予約はこちら

092-413-1818

午前10:00-13:00
午後14:30-20:00

タップして電話をかける 24時間受付WEB予約