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治療の知識

2026-08-19

朝起きると顎が疲れる…歯ぎしり・食いしばりを歯科で診てもらうとどうなる?

「最近、朝起きると顎が重い気がする…」「なんとなくだるいけど、疲れのせいかな?」博多駅周辺でハードに働いていると、そんな感覚がいつの間にか「いつものこと」になってしまっていることがありますよね。でも、その顎の疲れ、もしかしたら歯ぎしりや食いしばり(ブラキシズム)のサインかもしれないんです。気づかないまま放置してしまうと、歯や全身にじわじわとダメージが蓄積されていきますよ。この記事では、歯科衛生士の立場から、歯ぎしり・食いしばりのこと、そして歯科でできることを一緒に確認していきましょう。

歯ぎしり・食いしばりは「気づかないうちに進行する」が怖い理由

そもそも「ブラキシズム」ってどんな状態?

「歯ぎしり(ブラキシズム)」と聞くと、夜中にギリギリと音を立てるイメージを持つ方が多いかもしれませんね。でも実際はもう少し幅広い状態を指します。

歯ぎしり(ブラキシズム)とは、上下の歯が非機能的な接触を生じている状態をいいます。寝ている時に起こる場合と、目覚めている時に起こる場合とにより、睡眠時ブラキシズム覚醒時ブラキシズムとに分けられます。また、下顎の運動を伴うグラインディング(いわゆる歯ぎしり)と、一定の下顎位で行われるクレンチング(かみしめ)とに分類することができます。(出典:日本歯科医師会 テーマパーク8020 [1])

つまり、「ギリギリ音がしない=歯ぎしりをしていない」とは限らないんです。特に食いしばり(クレンチング)は音が出ないため、一緒に眠るパートナーがいても気づかれにくいのが難しいところです。

なぜ「寝ている間」が特に危ない?

睡眠時ブラキシズムの強度については、覚醒時の最大かみしめ時以上の筋活動が記録されており、覚醒時より大きな負荷が顎口腔系にもたらされる可能性が示唆されています。(出典:日本歯科医師会 テーマパーク8020 [1])

目が覚めているときより強い力が、眠っているあいだ中ずっとかかり続ける可能性がある……これが怖いポイントです。日常の食事で歯にかかる力はおよそ10kg前後といわれていますが、歯ぎしりや食いしばりでは就寝中の数時間にわたってこの数倍から数十倍の力が歯にかかり続けることになります。

「ストレスが多い人」が要注意な理由

長期間の携帯型筋電計を用いた研究により、ストレスに対応したブラキシズム・レベルの上昇が観察されています。現在では、睡眠時ブラキシズムは多因子性であり、ストレス・性格・遺伝・飲酒・喫煙など、さまざまな因子が関与していることが報告されています。(出典:日本歯科医師会 テーマパーク8020 [1])

また、日本歯科医師会も「歯ぎしりの原因は複数あるが、代表的なものにはストレスや飲酒・喫煙などが挙げられる」と案内しており、歯ぎしりからくる歯やお口の病気で悩んでいる人が増加していると指摘しています。(出典:日本歯科医師会 [2])

残業・会議・人間関係……博多駅周辺でビジネスパーソンとして働いていると、日々のストレスから完全に解放されるのは難しいですよね。「疲れているのに朝また顎がだるい」という悪循環が、気づかぬうちに続いているかもしれません。

こんな症状はサインかもしれない:歯・顎・全身に出る影響

口の中に現れるサイン

歯科医院を受診してはじめて「歯ぎしりをしていますよ」と気づく方は少なくありません。歯科医師や歯科衛生士がお口の中を拝見すると、こんなサインが見えてきます。

  • 歯のすり減り(咬耗):奥歯の高さが低くなっている
  • 歯の根元のくさび状のへこみ:冷たいものがしみる知覚過敏につながる
  • 頬の内側に白い線状の跡:歯が押し付けられた圧痕
  • 舌の縁にギザギザの歯型:歯への力のかかり方のサイン
  • 詰め物・かぶせ物の破損・脱落が繰り返し起こる

「詰め物が何度取れても何度もくっつけてもらってきた…」という方は、歯ぎしり・食いしばりが影響している可能性があります。

顎・全身に出る「意外なサイン」

歯ぎしりに付随する障害は、単に音がうるさいだけでなく、顎関節症・歯の摩耗や喪失・頭痛などの種々の障害を引き起こす場合があります。これらの障害は、音のしない歯ぎしりや、日中のくいしばりに付随して発生する場合もあります。(出典:日本歯科大学新潟病院 歯科部門 [3])

さらに、歯ぎしり・くいしばりの習癖は、下顎の周辺にある咀嚼筋(そしゃくきん=顎を動かす筋肉)に痛みをもたらし、「顎が痛い」「歯が痛い」「頭が痛い」と認識されることがあります。歯ぎしりなどに起因する咀嚼筋および頭蓋周辺筋の過緊張が、顎関節症や筋緊張型頭痛の原因の一つになります。(出典:神戸大学医学部附属病院 歯科口腔外科 [4])

日中の慢性的な頭痛や肩こりで「ひどい疲れのせいかな」と思っていたところ、実は夜中の歯ぎしりが原因だったというケースは珍しくないんですよ。

「顎関節症」との深い関係

成人の46%に顎関節の何らかの症状があるともいわれています。「口を開けたりあごを動かすと音がする」「口が開かない」といった症状があり、むし歯や歯周病・親知らずの炎症などの他の疾患がない病態を「顎関節症」といいます。(出典:日本歯科医師会 支援用教材 [2])

ブラキシズムは顎関節症の原因因子として捉えられており、その為害作用は顎顔面領域のほぼ全ての器官にもたらされる可能性があります。(出典:日本歯科医師会 テーマパーク8020 [1])

朝起きたときに口がなかなか大きく開かない、顎が「カクッ」と鳴る、という経験はありませんか? それもブラキシズムが関与している可能性があるサインです。

当院(博多I’S歯科・矯正歯科)では、顎関節症への対応も行っており、顎の違和感・口の開きにくさなどのご相談も承っています。「特定の病気というわけでもないかも…」と自己判断せず、まずはお気軽にご相談ください。

歯がどんどん削れる?歯ぎしりが引き起こす歯の摩耗と知覚過敏

エナメル質が失われると何が起こる?

歯の表面を覆う「エナメル質」は、人体の中でもっとも硬い組織です。しかし、エナメル質は縦方向に加わる力には強いものの、歯ぎしりのような横方向の力にはあまり強くありません。歯ぎしりや食いしばりで強い力が歯にかかるとダメージを受けやすく、エナメル質がすり減ったり、歯の根元部分が欠ける「くさび状欠損」が起きることがあります。

エナメル質が削れてしまうと、内側の「象牙質(ぞうげしつ)」が外側にむき出しになります。象牙質には神経につながる無数の細管があるため、冷たい飲み物や歯ブラシの接触に過敏に反応するようになる——これが知覚過敏のメカニズムです。

「虫歯はないと言われたのに歯がしみる」という方の中には、歯ぎしりによる歯の摩耗が原因になっているケースがあります。

削れた歯は自然には戻らない

エナメル質は、いちど失われると自然には再生されません。これが「歯ぎしりを放置してはいけない」最大の理由のひとつです。

進行の段階 状態 主な症状
初期 エナメル質の表面がわずかにすり減り始める ほとんど自覚なし
中期 咬耗(こうもう)が進み、歯の高さが低くなる 知覚過敏・詰め物の脱落
進行期 象牙質が広範囲に露出、歯がひびわれやすくなる 強い知覚過敏・歯の痛み
重症 歯の神経にまで影響が及ぶ 自発痛・根管治療や抜歯が必要になることも

当院では、マイクロスコープ(高倍率顕微鏡)を使った精密な口腔内観察を行っており、歯のわずかなすり減りや初期のくさび状欠損も早い段階で確認することができます。「歯が少し短くなってきた気がする」という段階で一度チェックを受けていただくことが、歯を長持ちさせる一番の近道です。

詰め物・かぶせ物にも影響が出てくる

歯だけでなく、セラミックや銀歯などの詰め物・かぶせ物にも同様のダメージが及びます。「同じ場所の詰め物が何度も外れる」「セラミックにひびが入った」という場合、噛む力の管理(フォースコントロール)が必要なサインかもしれません。当院では審美セラミック治療も行っており、美しい歯を長持ちさせるためにも、咬合(かみ合わせ)のチェックを治療と並行して行っています。

歯科でできること:確認の流れから治療・再発予防まで

まず「問診と口腔内チェック」からスタート

「自分では気づいていないのに、どうやって確認するの?」と思われるかもしれませんね。歯科での確認は意外とシンプルです。

問診で確認すること:

  • 朝起きたときに顎の疲れや痛みがあるか
  • 家族や同居人に「歯ぎしりをしている」と言われたことがあるか
  • 頭痛・肩こりが慢性的に続いているか
  • ストレスの多い生活環境かどうか

口腔内チェックで見ること:

  • 歯のすり減り(咬耗の程度)
  • 頬の内側・舌への歯の圧痕
  • 歯の根元のくさび状欠損
  • 顎関節の音・開口の具合

当院では、光学スキャナー(iTero 5D)やCTも導入しており、従来の型取りよりも精密に咬合の状態や歯の位置関係を把握することができます。歯の摩耗の状態を立体的に確認できるため、より的確な診断・治療計画につながります。

「ナイトガード(スプリント)」を作る流れ

歯ぎしり・食いしばりに対して、現在の歯科治療でもっともスタンダードに行われているのがナイトガード(スプリント療法)です。

睡眠時ブラキシズムは基本的には中枢性の問題であり、睡眠関連疾患と考えられています。つまり、「意志の力でやめよう」としても完全にコントロールするのは難しい面があります。そこでナイトガードを使うことで、上下の歯が直接ぶつかるのを防ぎ、歯・顎関節・筋肉へのダメージを和らげることが目的です。

ナイトガード作製の大まかな流れは以下の通りです。

  1. 初診・問診・口腔内確認(上述のチェック)
  2. 歯型の採取(スキャン):当院ではiTero 5Dを使ったデジタルスキャンにより精密に歯型を取得します
  3. 技工所での作製(約1〜2週間)
  4. フィッティング・調整:装着感と咬合を細かく確認・調整します
  5. 定期的な経過観察:使用状況の確認・調整を続けます

ナイトガードは保険が適用される場合があります(スプリント療法として保険診療で認められています)。3割負担の場合の目安は数千円程度ですが、状態や内容によって異なりますので診察時にご確認ください。

「症状だけ抑える」より「原因から考える」

ナイトガードは「歯を守る盾」として非常に大切ですが、当院では「装置を作って終わり」ではなく、再発を防ぐための原因療法に取り組んでいます。

守尾院長は「単に症状を抑えるだけでなく、なぜ歯ぎしりが起きているのかを把握し、再発を防ぐことが本当の治療」という考えのもと診療を行っています。たとえば、咬合(かみ合わせ)に問題がある場合には咬合調整を行い、ストレスや生活習慣が大きく関与している場合には生活指導も含めた総合的なアドバイスを行います。

また、新心会グループに所属する当院には、総勢100名を超える歯科医師が在籍しており、各分野の専門家と連携したアプローチも可能です。顎関節症が疑われる場合など、複数の視点からアセスメントを行います。

日頃できるセルフケアのポイント:

  • 日中、上下の歯がくっつかないよう意識する(リラックスした状態では歯は少し離れているのが正常です)
  • スマホや画面を見るとき、首・肩の姿勢を整える
  • 入浴や温めタオルで顎・こめかみ周辺をほぐす
  • 就寝前のカフェイン・アルコールを控える
  • 朝起きたとき、顎の状態(疲れ・痛み)を日々メモしておく

まとめ

  • 歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)は、音のしない種類もあり、自分では気づかないまま進行することが多い。睡眠中は覚醒時以上の強い力がかかることも報告されており、ストレスの多い環境では特に注意が必要です。
  • 「朝の顎の疲れ」「慢性的な頭痛・肩こり」「知覚過敏」「詰め物の脱落」などが典型的なサイン。成人の46%に顎関節の何らかの症状があるともいわれており(日本歯科医師会)、見過ごされているケースが少なくありません。
  • 歯の摩耗(すり減り)は自然には回復しない。エナメル質が失われると知覚過敏が起こりやすくなり、進行すると神経への影響が出ることもあるため、早期の対応が大切です。
  • 歯科での対応は「問診・口腔内チェック → ナイトガード作製 → 定期的な経過観察」が基本の流れ。ナイトガード(スプリント)は保険が適用される場合があり、費用の目安は3割負担で数千円程度です。
  • 当院は「抜かない・削らない」「原因療法」を基本方針とし、症状を抑えるだけでなく再発防止まで取り組んでいます。CTやマイクロスコープ、光学スキャナー(iTero 5D)を活用し、精密な診断を行っています。

「ストレスが多くて、歯ぎしりしているかも」と気になっている方は、ぜひ一度ご相談ください。博多I’S歯科・矯正歯科は、平日夜20時まで・土日も診療しており、博多駅から徒歩圏内の櫛田神社前駅すぐ(徒歩3分)でお立ち寄りいただけます。24時間WEB予約受付中ですので、忙しい方もすきま時間に予約が可能です。「朝の顎の疲れが気になる」「知覚過敏が続いている」など、小さな気になることでもお声がけください。スタッフ一同、お待ちしております。

🔗 WEB予約・詳細はこちら → [https://hakatad-c.com/](https://hakatad-c.com/)

はじめて受診される方は、初めての方へ(初診の流れ)もあわせてご覧ください。

参考文献

[1] 日本歯科医師会 テーマパーク8020「歯ぎしり(詳細)」jda.or.jp

[2] 日本歯科医師会「お口のなんでも相談 歯ぎしり」jda.or.jp / 「支援用教材(保健指導用教材)顎関節症について」jda.or.jp

[3] 日本歯科大学新潟病院 歯科部門「あごの関節・歯ぎしり外来」ngt.ndu.ac.jp

[4] 神戸大学医学部附属病院 歯科口腔外科「医局だより Q.顎関節症から肩こりや頭痛が起こると聞いたのですが、本当ですか?」med.kobe-u.ac.jp

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