急に親知らずの周りが腫れてきた、押すと痛い……そんな経験、ありませんか?特に疲れが溜まっている時期や、風邪気味の時に起こりやすいんですよね。
「これって放っておいて大丈夫?」「何をすればいい?」という不安、一緒に整理していきましょう。
その腫れ、「智歯周囲炎」かもしれません
智歯周囲炎(ちししゅういえん)ってどんな状態?
親知らず(第3大臼歯)の周りの歯ぐきに細菌感染が起きて、炎症が広がっている状態を智歯周囲炎といいます。日本歯科医師会によると、親知らずは歯肉に部分的に覆われたままになりやすく、その隙間が不潔になりやすいため炎症を起こしやすい状態になると説明されています[1]。20歳前後の若い世代に特に多く見られる疾患です[3]。
親知らずが完全に生え切らず、歯ぐきが一部をかぶっている状態の方は、この状態になりやすいので、ぜひ最後まで読んでいただければと思います。
なぜ急に腫れるの?
「昨日まで何ともなかったのに」というケースが多いですよね。理由は、免疫力の低下と細菌の増殖のバランスが崩れることにあります。
親知らずの奥は歯ブラシがどうしても届きにくく、歯ぐきとの隙間に汚れや細菌が溜まりやすい構造をしています。普段は免疫の力で抑えられていますが、次のような場面で一気に炎症が起こることがあります。
- 疲労やストレスが重なって免疫力が落ちた時
- 風邪を引いて体調を崩している時
- 数日間、歯磨きがうまくできていなかった時
「ここ最近ちょっと無理してたな」という心当たり、ありませんか?そういう時期に重なりやすいんです。
放っておくとどうなるの?
初期は「親知らずの周りの歯ぐきが赤く腫れて押すと痛い」程度でも、炎症が周囲の軟組織やあごの骨(顎骨/がっこつ)に広がると、頬や顎まで腫れてきたり、口を開けるのが難しくなったりすることがあります[4]。さらに重症化すると首やのどまで炎症が及び、飲み込みにも支障をきたすケースもあります。
「少し腫れているだけだから」と様子を見続けるのが一番危険です。早めの受診を心がけてください。
歯科に行くまでの間、自分でできること
歯科を受診するまでの間、炎症をこれ以上悪化させないためにできることをお伝えします。あくまでも「応急処置」ですので、症状が続く場合は必ず受診してくださいね。
やっていいこと
①頬の外側から冷やす
腫れている頬の外側に、タオルに包んだ保冷剤を10〜15分ほど当てると、炎症による熱感や痛みが和らぎます。直接氷を当てると凍傷になることがあるので、必ずタオル越しで使ってください。
②塩水でやさしくうがいをする
コップ1杯の温かいお湯に小さじ半分ほどの塩を溶かして、1日3〜4回うがいをしてみてください。塩水には軽い抗菌作用があり、患部の清潔を保つ助けになります。
③市販の痛み止めを服用する
アセトアミノフェン系やイブプロフェン系の市販薬を用法・用量を守って使うと、一時的に痛みを和らげることができます[2]。ただし、薬で痛みが引いても炎症の根本は残っていますので、受診は先延ばしにしないでください。
④歯磨きは無理せず、できる範囲で
炎症が強い時は痛くてしっかり磨けないこともありますよね。そういう時は、柔らかめの歯ブラシで親知らずの手前あたりから、そっと汚れを落とすだけでも十分です。患部を無理に磨こうとする必要はありません。
やってはいけないこと
| してはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 腫れた部分を指や舌で触る | 細菌を奥に押し込み、感染が広がる可能性がある |
| 熱いものを食べる・飲む | 血行が促進され、炎症と腫れが強くなる |
| 患部を温める(入浴・サウナ) | 同様に炎症が悪化しやすい |
| 激しい運動をする | 血流増加で炎症が広がるリスクがある |
| アルコールや刺激物を摂る | 粘膜への刺激で炎症をさらに悪化させる |
「腫れているから温めよう」という方がたまにいらっしゃるのですが、炎症中の患部を温めると逆効果です。冷やす方向で対処してくださいね。
歯科での治療はどう進む?
急性期はまず「炎症を鎮める」ことが優先
歯科を受診すると、まず炎症の状態を確認します。智歯周囲炎の急性期には、抗菌薬(化膿止め)と消炎鎮痛薬(痛み止め)の投与、そしてうがい薬の併用で炎症を鎮める治療が行われます[1][3]。腫れが引いてから、親知らずをどうするか(経過観察か抜歯か)を改めて相談することになるのが一般的な流れです。
当院・博多I’S歯科・矯正歯科では、CTやマイクロスコープを導入しており、親知らずの向きや周囲の骨の状態を立体的に確認した上で治療方針をご提案しています。「抜くしかないの?」「どのくらい大変な処置になるの?」という不安についても、画像を見ながらわかりやすくご説明するよう心がけています。
「抜かなくていい」ケースもある
守尾院長は「抜かない・削らない」を基本方針としており、智歯周囲炎が起きたからといって、すぐに抜歯が必要になるわけではありません。ただし、炎症を繰り返す場合や、親知らずの向きが将来的なリスクになると判断される場合には、抜歯が根本解決につながることもあります。患者さまにとって最善の選択肢を一緒に考えていきますので、まずはご相談ください。
セカンドオピニオンにも対応していますので、他院で「抜いた方がいい」と言われて迷っている方も、ぜひ気軽にいらしてください。
こんな時はすぐ受診してください
応急処置で少し楽になったとしても、次のような状態になっている時は、できるだけ早く歯科または医療機関を受診してください。
- 口が指1本分も開かないほど開きにくい
- 頬や顎だけでなく、首の方まで腫れてきた
- 38度以上の発熱が続いている
- 飲み物を飲み込むのもつらい
これらは、炎症が深い部位まで広がっているサインかもしれません。こうなってしまうと、歯科だけでなく口腔外科や病院との連携が必要になるケースもあります。「我慢できる痛さだから」と放置しないでください。
博多I’S歯科・矯正歯科は急患診療にも対応しており、平日は夜20時まで、土日祝も診療しています(日曜は16時まで)。24時間WEB予約もご利用いただけますので、「急に痛くなったけど今日行けるかな」という時もまずサイトをチェックしてみてください。
まとめ
- 智歯周囲炎は20歳前後に多い。疲労・免疫低下・歯磨き不足が重なった時に起こりやすく、放置すると顔の腫れや口が開かなくなる状態まで進行することがある。
- 応急処置は「冷やす・塩水うがい・痛み止め」。患部を触ったり温めたりするのは逆効果なので避ける。
- 薬で一時的に楽になっても、根本の治療は必要。炎症を繰り返す場合は抜歯も選択肢になるが、まずは受診して状態を確認することが大切。
- 口が開かない・首まで腫れた・高熱が続く場合はすぐに受診。これらのサインが出たら迷わず連絡を。
親知らずの腫れや痛みが気になる方は、博多I’S歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。櫛田神社前駅すぐ(徒歩3分)の立地で、平日夜20時まで・土日祝も診療しています。24時間WEB予約(https://hakatad-c.com/)にも対応していますので、急な症状の時でも受診のタイミングを逃しにくい環境を整えています。「大げさかな」と遠慮せず、まずは一度ご相談ください。
参考文献
[1] 日本歯科医師会「親知らず」jda.or.jp
[2] 日本歯科医師会「お悩み相談!教えて先生|テーマ:親知らず」jda.or.jp
[3] 日本口腔外科学会「『親知らず』について」jsoms.or.jp
[4] 日本口腔外科学会「歯および歯周疾患」jsoms.or.jp
