歯ぐきから血が出ると、ドキっとしますよね。「歯みがきが強すぎたのかな」と思って見過ごしていませんか?
実は、歯ぐきの出血は歯周病(しこうびょう)の初期サインであることがとても多いんです。厚生労働省のeヘルスネットによると、歯周病は成人の8割以上が罹患する身近な疾患でありながら、進行すると歯を失う原因にもなる深刻な病気です[1]。
「でも、痛みはないし…」というのが、歯周病のやっかいなところ。痛みが出にくいまま静かに進んでいくので、気づいたときには思ったより進行していた、というケースも少なくありません。
この記事では、歯周病の進行のしかた、毎日のセルフケアで気をつけてほしいこと、そして当院(博多I’S歯科・矯正歯科)での治療の流れをひとつずつお伝えします。「自分は大丈夫かな」と少しでも気になっている方に、読んでいただけたらうれしいです。
歯周病ってどんな病気?進行のしかたを知っておこう
最初は「歯肉炎」から始まる
歯周病は、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)に溜まった歯垢(プラーク=細菌のかたまり)が引き起こす感染症です。
最初の段階は「歯肉炎(しにくえん)」といって、歯ぐきが赤くなったり、歯みがきのときに血が出たりする状態。この段階では、歯を支える骨(歯槽骨)にはまだ大きなダメージはありません。
厚生労働省の調査では、歯肉から出血のある人の割合はどの年齢層もおおよそ4割前後と、一定した水準で続いています[1]。「よくあること」だからこそ、「自分もそんなものかな」と放置されやすいのが正直なところです。
でも、ここで一度立ち止まってほしいんです。歯肉炎のうちに対処できれば、骨へのダメージを防げる可能性がぐっと高くなります。
「歯周炎」に進むと、骨が溶け始める
歯肉炎をそのままにしていると、炎症が歯ぐきの奥まで広がり「歯周炎(ししゅうえん)」に進みます。ここからが本格的な歯周病の段階です。
中等度以上になると、こんな症状が出てくることがあります。
- 疲れると歯が浮いた感じがする
- 歯がぐらぐらしてきた
- 家族に口臭を指摘された
- 歯ぐきから血だけでなく、膿(うみ)が出ることがある
進行した歯周炎では、歯槽骨(歯を支える骨)が溶けてなくなっていきます。日本歯周病学会の資料によると、中等度以上に進行した歯周炎は、外科的な治療を行っても器具のアクセスが得にくく、病態の進行にともなって治療はより難しくなるとされています[2]。
「治療が難しくなる前に診てもらおう」——これが、早めの受診をお願いしたい一番の理由です。
進行した歯周病は、生活の質にも影響する
重度まで進むと、硬いものが食べられなくなったり、口臭がひどくなったりして、食事や会話への影響が出てきます。口の中の問題だけでなく、生活の質(QOL)全体にかかわってくるんです。
また、歯周病は糖尿病や心疾患などの全身疾患とも関連が深いことが知られています[3]。「口の中だけの話」ではない、ということを知っておいてほしいです。
毎日のセルフケア、ここだけ変えてみて
歯周病の予防と進行を抑えるために、一番大切なのは毎日のセルフケアです。歯科医院での治療だけでは限界があって、お家でのケアと両輪で取り組んでいただく必要があります。
ここでは「今日から変えられること」を具体的にお伝えしますね。
歯みがきは「時間より質」を意識して
1回の歯みがきに何分かけていますか?実は、時間よりも「どこを磨けているか」のほうが大切なんです。
歯周病の原因となるプラークは、歯と歯ぐきの境目(歯肉溝)や、歯と歯のあいだに溜まりやすいです。ここを意識して磨くだけで、ケアの質はかなり変わります。
やってほしいこと:
- ブラシを歯ぐきに向けて45度くらいの角度で当てる(バス法)
- 1〜2本ずつ小刻みに動かす。ゴシゴシ横みがきはNG
- 力は「毛先が広がらない程度」。強く押し当てると歯ぐきを傷つけます
- 1日2回以上、できれば夜は丁寧に
「夜だけはフロス」から始めてみて
「フロスや歯間ブラシまではできていない」という方、多いですよね。でも、歯ブラシだけでは歯と歯のあいだの汚れは6〜7割程度しか取れないといわれています。
歯周病はとくに歯間部から悪化しやすいので、フロス(糸ようじ)か歯間ブラシを使うことがとても大切です。
まずは夜の1回だけでも習慣にしてみましょう。
- フロス: 歯と歯のすき間が狭い方に。歯間部をこするように動かして
- 歯間ブラシ: すき間が広い方や、奥歯に向いています。サイズは歯科衛生士に確認するのが確実
- ホルダー型フロス(Y字型): 奥歯に使いやすく、フロス初心者の方にもおすすめです
「なんとなくうがい」では歯垢は落ちない
洗口液(マウスウォッシュ)は、確かに一時的に口の中をさっぱりさせてくれます。でも、「歯垢(プラーク)を物理的に落とす」ことはできません。
洗口液はあくまでブラッシングの補助。「磨いた後に使う」のが正しい順番です。
当院での歯周病治療の流れ
まず「今の状態」を正確に把握する
当院では、初診時に包括的な口腔内検査を実施します。歯周病の治療は「どの段階か」によって内容がまったく違うので、まず正確に把握することが大切です。
検査では以下を確認します。
| 検査項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 歯周ポケット測定 | 歯ぐきの溝の深さ(4mm以上は要注意) |
| 歯の動揺度 | 歯がどのくらい揺れているか |
| 出血の有無 | プローブ(細い器具)を当てて炎症の程度を確認 |
| X線(レントゲン)撮影 | 歯槽骨(歯を支える骨)の溶け具合を確認 |
| CT撮影(必要に応じて) | 骨の状態を三次元的に把握 |
当院ではCTとマイクロスコープ(高倍率の拡大鏡)を組み合わせることで、通常のレントゲンでは把握しにくい骨の状態や歯周ポケット内の細かな変化まで確認できる体制を整えています。
「どこまで進んでいるのか分からない」という不安は、精密な検査でひとつずつ明らかにしていきます。
「歯周基本治療」でまず土台を整える
検査の結果をもとに、まず取り組むのが「歯周基本治療」です。難しい名前がついていますが、やることはシンプルです。
① セルフケア指導(口腔衛生指導)
患者さんの磨き方のくせや苦手な部分を確認しながら、一人ひとりに合ったブラッシング方法を一緒に練習します。「また磨き方の話か」と思う方もいるかもしれませんが、セルフケアがしっかりできていないと治療の効果が出にくいんです。
② スケーリング(歯石除去)
歯石は歯垢が硬くなったもので、歯ブラシではどうしても取れません。専用の器具を使って丁寧に除去します。
③ ルートプレーニング(根面滑沢化)
歯周ポケットが深い場合、歯根(歯の根っこ)の表面に付いた汚染部分を滑らかにします。歯ぐきが再び歯根にくっつきやすくなるよう、根面を整えます。
この歯周基本治療を終えた後、再度精密検査を行います。状態が改善・安定していれば、定期的なメインテナンスに移行します。
守尾院長が大切にする「原因療法」という考え方
守尾一起院長は「単に症状を取り除くだけでなく、なぜ歯周病になったのかという根本原因に向き合うことが大切」という考え(原因療法)を診療の基本に置いています。
表面の汚れを取るだけでなく、生活習慣や噛み合わせ、歯並びなど「なぜ歯垢が溜まりやすいのか」を一緒に考えていくアプローチです。
再発を繰り返す歯周病に悩んでいる方こそ、ぜひ一度、根本から見直してみませんか。
メインテナンスで「治った後」も守っていく
歯周病は、治療が終わったら終わり、ではありません。一度歯周病になった方は再発リスクが高いため、治療後の定期的なメインテナンス(定期検診+クリーニング)がとても大切です。
当院では患者さんの状態に合わせて、メインテナンスの間隔(目安は1〜3ヶ月ごと)を設定しています。平日は夜20時まで、土日祝も診療しているので(休診日:祝日のみ)、お仕事帰りや週末を使って無理なく続けていただけます。24時間WEB予約にも対応しているので、思い立ったときにすぐ予約できますよ。
「自分の歯周病はどの段階?」受診のタイミングの目安
「病院に行くほどかな…」と迷ってしまう方のために、受診を検討してほしいタイミングをまとめました。
| こんな症状があれば | 考えられる状態 |
|---|---|
| 歯みがきで毎回血が出る | 歯肉炎〜初期歯周炎 |
| 歯ぐきが赤く腫れている | 歯肉炎〜初期歯周炎 |
| 口臭が気になり始めた | 中等度歯周炎の可能性 |
| 歯が長くなった気がする(歯ぐきが下がった) | 中等度以上の歯周炎 |
| 歯がぐらぐらする | 進行した歯周炎 |
| 歯ぐきから膿が出る | 急性症状・要早急対応 |
「歯ぐきから膿が出る」「急に腫れた・激しく痛む」という急性症状の場合は、できるだけ早く受診してください。当院では急患診療にも対応しており、突然の症状にも可能な範囲でご対応しています。
また、他の歯科医院で歯周病の治療を受けているけれど「本当にこの治療で大丈夫?」と感じている方向けに、セカンドオピニオンのご相談も承っています。検査データや治療記録をお持ちいただければ、より詳しくお答えできます。
糖尿病や心疾患など全身疾患をお持ちの方、妊娠中の方も、全身状態を考慮しながら対応しますので、ご来院前にお申し出いただけると安心です。
まとめ
- 歯周病は「出血」「口臭」「ぐらつき」と静かに進む。痛みが出にくいため早期発見・早期対応が大切。厚生労働省の調査では、どの年齢層も4割前後が歯肉出血を抱えている[1]
- 毎日のセルフケアが治療の土台。夜だけでもフロス・歯間ブラシを取り入れ、歯ぐきの境目を意識したブラッシングを習慣にしよう
- 当院ではCT・マイクロスコープによる精密検査で、通常のレントゲンでは把握しにくい骨の状態まで確認。「今どの段階か」を正確に把握してから治療を進める
- 守尾院長は「原因療法」を重視。症状を取り除くだけでなく、なぜ繰り返すのかという根本に向き合う診療方針
- 治療後のメインテナンスが再発を防ぐ鍵。夜間・土日祝診療と24時間WEB予約で、忙しい方でも通い続けやすい環境を整えている
歯ぐきのこと、一人で抱え込まないでくださいね。「血が出るけど大したことないかな」「忙しくてなかなか行けていない」という方こそ、ぜひ一度、当院にご相談ください。
博多I’S歯科・矯正歯科は、櫛田神社前駅からすぐ(徒歩3分)、博多駅前の通いやすい場所にあります。平日は夜20時まで、土日祝も診療しています(休診日:祝日)。24時間WEB予約は公式サイト(https://hakatad-c.com/)から、いつでもお手続きいただけます。急なお痛みや腫れの際は、急患としてご連絡ください。
参考文献
[1] 厚生労働省 eヘルスネット「歯周疾患の有病状況」kennet.mhlw.go.jp
[2] 日本歯周病学会「歯周病は進行する病気?進行段階とその状態を詳しく解説!」periobook.perio.jp
[3] 日本歯周病学会「歯周治療を適切・安全に行うためのポイント ー全身状態への配慮ー」perio.jp
