「また今度行こう」「痛くなったら考える」——そうやって受診をずっと後回しにしていませんか?
歯医者に行くのが怖い、あの注射が嫌だ、ドリルの音を聞いただけで緊張する……そんなふうに感じるのは、あなただけじゃないんです。J-STAGE(小児歯科学雑誌 54巻4号)に掲載された研究では、歯科診療中の小児患者の自律神経活動などを記録・解析した結果から、歯科診療における患者のストレス把握が重要であると指摘されています。また、J-STAGE(小児歯科学雑誌 37巻5号)に掲載された研究では、歯科恐怖は小児期に経験した疼痛・騒音などの負の体験が引き金となることが報告されています。幼いころに怖い思いをして、それがずっと記憶に残っている方も多いと思います。
歯科治療における痛みへの配慮は、器具・材料・技術の面で大きく進歩しています。
この記事では、博多エリアで「痛みが怖くて受診できない」という方に向けて、痛みが生じる仕組みと現代の歯科医療の工夫、そして当院・博多I’S歯科・矯正歯科(博多区)が実際に行っている痛みへの配慮を、歯科衛生士の立場からわかりやすくお伝えします。読み終えたら、「それなら一歩踏み出してみようかな」と思っていただけたら嬉しいです。
「歯医者は痛い」は昔の話?痛みへの配慮が変わった3つの理由
理由① 材料・機器が飛躍的に進化した
昔は使える麻酔薬の種類も注射針の太さも限られていました。でも今は、とても細い注射針(33G極細針など)が開発されており、日本歯科医師会のサイト「歯科麻酔 – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020」によると、細くて切れの良い針が開発され、また麻酔薬の温度管理にも気を配ることで、以前よりはるかに負担の少ない注射になっています。細い針・表面麻酔・電動注射器を組み合わせることで、刺入時の不快感を和らげることを目指しています。
さらに電動注射器や光学スキャナーなど、患者さんの負担を減らす機器も広まり、治療そのものの精度と快適さが両立できるようになっています。
理由② 「治療前に治す」予防歯科の考え方が広まった
「痛くなってから歯医者に行く」という方は多いのですが、実はこれが「痛い治療」につながる一番の原因なんです。虫歯は進行してから治療するほど、削る量が増え、神経に近づくほど痛みやすくなります。
厚生労働省が令和5年度に委託した「歯科口腔保健の実態等に関する調査」(株式会社クロス・マーケティング実施)によると、健康に関して「行っておけばよかった」と思うこととして「歯を大事にすればよかった」が最も高く、他の項目と比べて10ポイント以上高い結果でした。多くの方が「もっと早く来ていれば」と感じているのです。
逆にいえば、定期的に通っていれば早期に発見でき、削る量も最小限に抑えられます。当院では、できる限り歯を残す・削る量を最小限にすることを基本的な考え方とし、再発を防ぐ原因療法を大切にしています。ただし、症状によっては抜歯や切削が必要な場合もございます。
理由③ 「患者さんのペースに合わせる」という文化が根付いてきた
昔の歯科治療は「我慢してもらうのが当たり前」という雰囲気があったかもしれません。でも今は、患者さんが手を挙げたら治療を止める「スタップサイン」の導入、不安を事前に聞き取るカウンセリング、治療内容の丁寧な説明など、患者さんのペースに合わせたコミュニケーションが重視されています。
J-STAGE(小児歯科学雑誌 37巻5号)に掲載された研究によると、幼少期に抑制的な対応を経験した者は、経験のない者と比べて現在でも歯科治療に対して恐怖や不安を感じる傾向があることが示されました。過去の体験が今の怖さにつながっているのは自然なこと。だからこそ、「今の歯科はそうじゃない」と体験してもらうことが、不安を解消する一番の近道だと感じています。
なぜ麻酔注射が「怖い」「痛い」と感じるのか——その仕組みと対策
麻酔注射で「痛み」を感じやすい2つの瞬間
歯科治療の中で最も「怖い」と感じる場面として、多くの方が真っ先に思い浮かべるのが「麻酔注射」ではないでしょうか。
日本歯科医師会のサイト「歯科麻酔 – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020」によると、局所麻酔は歯科治療に必要不可欠な麻酔法であり、「麻酔薬を歯茎(歯肉)に塗って表面の感覚を麻痺させる表面麻酔を行った後で注射をすると、『痛みをとるための麻酔が痛い』がずいぶんとラクになる」と解説されています。
麻酔注射で痛みを感じやすい瞬間は、大きく2つです。
| タイミング | 痛みの原因 | 対策のポイント |
|---|---|---|
| 針が歯ぐきに刺さる瞬間 | 針が粘膜を貫く物理的刺激 | 表面麻酔で粘膜の感覚を事前に鈍らせる |
| 麻酔液が注入されるとき | 液の圧力・温度・注入速度 | 電動注射器でゆっくり一定速度で注入 |
この2つに対してそれぞれ対策を講じることで、チクッとした感覚を和らげることを目指しています。個人差はありますが、個人差はありますが、刺入時の感覚を和らげることを目指しています。
麻酔が「効きにくい」と感じる場合もある
「以前、麻酔をしたのに痛かった」という経験をお持ちの方も、いらっしゃいますよね。これにはいくつか理由があります。
- 炎症が強い状態のとき:虫歯や歯周病の炎症が強い組織は酸性に傾いており、麻酔薬が効きにくくなることがあります
- 下顎の奥歯:骨が厚く、浸潤麻酔(=歯ぐきへの注射)だけでは届きにくい場合があり、「伝達麻酔(神経の根本に届かせる方法)」が必要なことも
- 緊張・過呼吸:強い緊張が続くと血流や感覚が変化し、麻酔の効きに影響することがある
こうした「効きにくい状況」を事前に把握しておくことで、担当の歯科医師が適切な麻酔方法を選択できます。怖いことや心配なことは、診察前に遠慮なく伝えてくださいね。
麻酔が「不安」な方へ——まずは話すことが第一歩
日本歯科医師会のサイト「歯科麻酔 – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020」では、麻酔注射後に気分が悪くなった場合、原因の多くは過剰な緊張や不安がもたらす精神的反応であることが多く、高血圧・心臓疾患をお持ちの方など、アドレナリンを含まない麻酔薬も開発されているため、事前に歯科医師に状況を伝えることが大切と解説されています。
「前に気分が悪くなった」「動悸がした」という経験がある方も、ぜひ初診時に教えてください。当院では、問診の段階で麻酔に関する不安や既往歴をしっかり確認し、お一人おひとりに合った対応を心がけています。
表面麻酔・電動注射器・細い針——当院が実践する痛み軽減の具体的な工夫
STEP1:表面麻酔で「チクッ」の前に感覚を鈍らせる
博多I’S歯科・矯正歯科では、注射の前に必ず表面麻酔を行います。表面麻酔とは、歯ぐきにジェル状の麻酔薬を塗布し、粘膜の表面の感覚を鈍くする処置です。針を刺す前に数分間しっかり作用させることで、「チクッ」とした刺入時の感覚をできる限り抑えます。
「綿を詰められた後、しばらく待つな」と感じたことのある方もいるかもしれません。あれがまさに表面麻酔の時間です。待っている間は、深呼吸してゆっくりしていてくださいね。
STEP2:電動注射器で「ゆっくり・一定」の注入を実現
表面麻酔が効いたあと、麻酔液を注入するのですが、このときの「じわじわした圧力」が痛みの原因になることがあります。手動のシリンジ(注射器)だと、担当者の力加減によって注入速度にムラが生じることも。
そこで当院では電動注射器を使用しています。電動注射器は、麻酔液を機械制御でゆっくり・一定の速度で注入できるため、急な圧力による不快感を軽減することが期待できます。日本歯科医師会のサイト「歯科麻酔 – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020」でも、電動式注射器を使用することで、様々なテクニックを組み合わせた痛みの少ない麻酔が可能になったと紹介されています。
STEP3:精密機器で「必要最小限」の治療を実現
痛みを減らすには、麻酔の工夫だけでなく、治療そのものの精度を上げることも欠かせません。当院では、CT・マイクロスコープ・光学スキャナー(iTero5D)を導入しています。
それぞれの役割を簡単にご説明しますね。
| 機器 | 何ができるか | 患者さんへのメリット |
|---|---|---|
| 歯科用CT | 歯・骨・神経を三次元で把握 | 不必要な部位を削らず、神経を傷つけるリスクを低減 |
| マイクロスコープ | 患部を数十倍に拡大して精密に観察 | 感染部位だけを取り除け、健康な歯を守れる |
| 光学スキャナー(iTero5D) | 口腔内を光学的にスキャン | 型取り時の「オエッ」となる不快感を軽減 |
たとえばマイクロスコープを使うことで、「なんとなく広く削る」のではなく「問題のある部分だけ最小限に処置する」ことが可能になります。削る量を抑えることで、治療後の不快感を軽減し、歯の長期的な保存につながる可能性があります。
できる限り歯を保存し、削る量を抑えることを目指す当院の方針を、精密機器の活用が支えています。当院では、症状だけを取り除くのではなく、再発を防ぐ原因療法を重視した診断・治療に取り組んでいます。
不安が強い方へ——「相談だけ」でも構いません
「いきなり治療するのは怖い」という方は、まずご相談だけでもお越しください。博多I’S歯科・矯正歯科では、セカンドオピニオンにも対応しており、「他院でこう言われたけど不安…」「何から始めたらいいかわからない」という状態から、一緒に考えていくことができます。
また当院は、新心会グループに所属しており、総勢100名を超える歯科医師が在籍するグループのネットワークを活かし、複数の診療領域について院内外で情報共有・連携しながら対応いたします。
痛みへの不安が強い方ほど「早期受診」が大切な理由
放置すると「もっと痛い治療」が必要になるリスク
「怖いから行かない」は、実は逆効果なんです。虫歯は放置すると神経(歯髄)まで進行し、根管治療(歯の根っこの治療)が必要になります。根管治療は、軽い虫歯の治療より通院回数も多く、治療の範囲も広くなりがちです。
厚生労働省の「歯科口腔保健の実態等に関する調査」(令和5年度委託事業)によると、健康に関して後悔することとして「歯を大事にすればよかった」と答えた割合が最も高く、他の項目と10ポイント以上の差をつけてトップでした。これは「もっと早く受診しておけばよかった」という声の裏返しでもあります。
早期発見により、治療の範囲を小さく抑えられることがあります。症状・進行度によって異なりますので、まずはご相談ください。「怖いから後回し」が「もっと大変な治療」につながるサイクルを、まず一度断ち切ることが大切です。
歯の健康は全身の健康と深くつながっている
歯の問題は、お口の中だけの話ではありません。厚生労働省のe-ヘルスネットによると、歯周ポケット保有者の割合は年齢が増すにつれて高い傾向を示し、45歳以上では過半数を占めます。歯周病(=歯ぐきや歯を支える骨が溶けていく病気)は糖尿病や心血管疾患との関連も報告されており、放置することで全身への影響も出てきます。
「歯みがきで血が出る」「歯ぐきが腫れている気がする」と気になっている方は、ぜひ早めにご相談ください。
歯みがきで血が出るのはなぜ?歯茎からの出血を止める方法と受診のサイン
博多エリアで「通いやすさ」を実感してほしい
受診へのハードルを下げるには、通いやすさも大切です。博多I’S歯科・矯正歯科は、地下鉄七隈線・櫛田神社前駅すぐ(徒歩3分)の場所にあります。博多駅からも徒歩圏内で、通勤・通学帰りにも立ち寄りやすい立地です。
診療時間は、平日10:00〜20:00(昼休みあり)、土日祝9:00〜17:00(日曜は16時まで)と、社会人の方にも予定が合わせやすい体制を整えています。さらに24時間WEB予約受付に対応していますので、「思い立った夜中に予約したい」というときにも対応しています。
急に歯が痛くなったときも、急患診療に対応していますので、まずはご連絡ください。
まとめ
- 「歯医者は痛い」という印象は、器具・材料・技術の進歩により大きく変わってきています。細い注射針・電動注射器・表面麻酔など、痛みへの配慮のための技術が着実に進歩しています。日本歯科医師会のサイト「歯科麻酔 – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020」でも、様々なテクニックを組み合わせることで痛みの少ない麻酔が行えるようになったと紹介されています。
- 麻酔注射の痛みが生じる2つのタイミング(針が刺さる瞬間・液が入るとき)を理解し、それぞれへの対策(表面麻酔・電動注射器)を知っておくと、治療への不安がぐっと和らぎます。
- 当院(博多I’S歯科・矯正歯科)では、表面麻酔・電動注射器・細い針の組み合わせに加え、CT・マイクロスコープ・iTero5Dによる精密診断で、削る量を最小限に抑えることを目指し、痛みに配慮した治療に取り組んでいます。
- 「早めの受診」が一番の痛み対策です。厚生労働省の調査では「歯を大事にすればよかった」という後悔がトップに挙がっています。早期に発見できるほど、治療の範囲が小さくなる可能性が高く、痛みや負担の軽減につながる場合が多いです。
- 怖い・不安という気持ちは自然なことです。当院では「相談だけ」のご来院も歓迎しており、セカンドオピニオンにも対応しています。一緒に不安を解消していきましょう。
歯医者への不安や怖さを感じているあなたへ——まずは「話すだけ」で大丈夫ですよ。博多I’S歯科・矯正歯科(旧:博多歯科医院)は、福岡市博多区・櫛田神社前駅すぐの立地で、平日20時まで・土日も診療しています。24時間WEB予約受付中ですので、ぜひお気軽にご予約ください。スタッフ一同、あなたのペースに寄り添いながら丁寧にご対応いたします。
はじめて受診される方は、初めての方へ(初診の流れ)もあわせてご覧ください。
参考文献
- 歯科麻酔 – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020(日本歯科医師会(jda.or.jp)) https://www.jda.or.jp/park/trouble/index23.html
- 幼少期の歯科治療体験が現在の歯科恐怖に及ぼす影響(小児歯科学雑誌 37巻5号)(J-STAGE(一般財団法人 日本小児歯科学会)) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspd1963/37/5/37_1020/_article/-char/ja/
- 歯科診療中の小児患者の自律神経活動および脳活動の記録解析に関する研究(小児歯科学雑誌 54巻4号)(J-STAGE(一般財団法人 日本小児歯科学会)) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspd/54/4/54_443/_pdf/-char/ja
[1] 日本歯科医師会「歯科麻酔 – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020」jda.or.jp
[2] J-STAGE(小児歯科学雑誌 37巻5号)「幼少期の歯科治療体験が現在の歯科恐怖に及ぼす影響」jstage.jst.go.jp
[3] J-STAGE(小児歯科学雑誌 54巻4号)「歯科診療中の小児患者の自律神経活動および脳活動の記録解析に関する研究」jstage.jst.go.jp
[4] 厚生労働省「歯科口腔保健支援事業(歯科口腔保健の実態等に関する調査)報告書」(令和5年度委託事業)mhlw.go.jp
