食事中に「あ、取れた…!」と気づいたとき、焦りますよね。どこかに飛んでいってしまったのか、うっかり飲み込んでしまったのか——とにかく何をすれば良いのか、分からなくなる方は多いんです。
実は、詰め物が取れること自体は珍しくないんです。日本歯科医師会の情報でも「詰めものや被せものの継ぎ目からむし歯になるリスクが高くなる」と紹介されているほど[1]、歯の詰め物まわりのトラブルは日常的に起こります。でも、だからといって「また取れたか」と放置するのは絶対に禁物。
今日は歯科衛生士の視点から、詰め物が取れた直後にやるべきことと、うっかりやってしまいがちなNG行動を、一緒に整理していきますね。
取れた直後にまずやること——冷静に3ステップ
① 取れた詰め物を捨てないで保管する
取れた詰め物は、必ず取っておいてください。「古くなったから捨てよう」と思う方もいらっしゃるのですが、状態によっては再装着できる場合があって、その場合は新しく作り直すよりもお口への負担が少なくて済むんです。
保管のコツはチャック付きの袋か小さなフタ付き容器を使うこと。ティッシュで包むのはNGです。繊維に引っかかって変形したり、そのままゴミと一緒に捨てられてしまったりするリスクがあります。受診のときに必ず持参してくださいね。
② 露出した歯の部分を触らない・刺激しない
詰め物がなくなった部分の歯は、象牙質(ぞうがくしつ)と呼ばれる柔らかい層がむき出しになっています。エナメル質という硬い外殻で守られていた部分が直接外に出ている状態なので、舌で触ったり、食べ物の温度変化を受けると、ズキンとした痛みを感じやすくなっています。
「確認したくて触ってしまう」お気持ちはよく分かるのですが、刺激はできるだけ避けてあげてください。
③ 早めに予約を入れる
「今は痛みがないから、もう少し様子を見よう」と思いやすいのですが、象牙質がむき出しの状態は、虫歯菌にとってとても侵入しやすい環境です。エナメル質に覆われているときと比べて、むし歯の進行スピードが格段に速くなります。
痛みがないうちに受診するほうが、治療がシンプルで済むことがほとんど。当院(博多I’S歯科・矯正歯科)は平日20時まで診療しており、24時間WEB予約にも対応していますので、「仕事帰りに寄ろうかな」くらいの気持ちで、早めに予約を取ってみてくださいね。
これだけはやらないで!NG行動3つ
市販の接着剤で自分でくっつけようとする
「瞬間接着剤で戻せばいいか」——そう考える方が意外と多いのですが、これはとても危険です。接着剤の成分がお口の中に入ることによる体への影響はもちろん、噛み合わせのわずかなズレが顎や他の歯に負担をかけることもあります。
また、隙間に接着剤が入り込むと、その奥で虫歯が進行していても気づけなくなります。歯科医院では専用の材料と精密な調整で装着しますので、応急処置として自己流で試みるのはやめてくださいね。
痛みがないからと放置する
先ほどもお伝えしましたが、「痛みがないから大丈夫」は要注意サインです。象牙質は神経に通じる細い管(象牙細管・ぞうがさいかん)が集まっているため、細菌が入り込むと神経まで炎症が広がることがあります。
神経の治療(根管治療)が必要になると、通院回数も費用もかなり変わってきます。「早めに診てもらう」が、結果的にいちばん負担が少ない選択です。
取れた部分で普通に食事をする
「なんとなく噛めるから」という理由でそのまま食事を続けてしまう方もいます。でも、むき出しの象牙質に食べ物のカスや細菌が繰り返し入ってしまうと、あっという間にむし歯が深くなってしまいます。受診するまでの間は、できるだけ反対側の歯で噛むようにしてください。
受診するまでの食事と歯磨きのポイント
食べ物は「柔らかく・刺激少なく」
取れた側での咀嚼(そしゃく)を避けながら、食事の内容自体も少し気をつけてあげましょう。
| 避けたいもの | 理由 |
|---|---|
| 熱いもの・冷たいもの(アイス、熱々のスープ等) | 象牙質への温度刺激で痛みが出やすい |
| 硬いもの(せんべい、フランスパン等) | 残っている歯や周辺の詰め物に負担がかかる |
| 粘着性の高いもの(ガム、キャラメル、お餅等) | 他の歯の詰め物まで剥がれるリスクがある |
おかゆ・うどん・ヨーグルトなど、噛む力をあまり必要としない食事が受診までの強い味方です。
歯磨きは「やわらかく・ぬるく・優しく」
むき出しの部分は冷たい水にも反応しやすいので、ぬるめの水で、やわらかめの歯ブラシを使って優しくブラッシングしてください。ゴシゴシ磨くと象牙質をさらに刺激してしまいますし、取れた部分の周りの歯ぐきが傷つくこともあります。
「磨き残しが怖くてつい力を入れてしまう」気持ちはよく分かります。でも、今はまず「清潔に・優しく」をゴールにしてみてください。知覚過敏用の歯磨き粉(象牙細管を塞ぐ成分が入っているもの)を使うと、一時的な痛みの緩和に役立つ場合もありますよ。
フロスや歯間ブラシは、取れた部分の周辺は無理に通さなくて大丈夫です。他の部分はいつも通りのケアを続けましょう。
受診したら、どんな流れになる?
まず「なぜ取れたか」を調べる
詰め物が取れる原因は大きく2つあります。①接着力の経年劣化、②詰め物の下で虫歯が再発したケース。どちらかによって、その後の治療内容がまったく変わってきます。
当院では、CTやマイクロスコープを使って詰め物の下の状態を精密に確認します。「肉眼ではきれいに見えるけれど、内部で虫歯が進んでいた」というケースも少なくないので、しっかり原因を調べてから治療方針を決めるようにしています。
再装着か、作り直しか
取れた詰め物の状態と歯の状態によって、対応が変わります。
| 状態 | 対応 | 通院目安 |
|---|---|---|
| 詰め物が無傷・歯に虫歯なし | 洗浄・再接着 | 1回(30分程度) |
| 詰め物が損傷・または形が合わない | 型取り→新たに作製 | 2〜3回 |
| 詰め物の下に虫歯あり | 虫歯治療→型取り→作製 | 3〜4回程度 |
再装着だけで済む場合は、その日に終わることも多いです。新しく作製する場合は、まず応急処置をしてから型取り・装着と進んでいきます。
守尾院長は「抜かない・削らない」を基本方針としているため、虫歯が見つかった場合でも、マイクロスコープで確認しながら、必要最小限の範囲での治療を心がけています。
費用の目安
| 治療内容 | 費用目安(3割負担) |
|---|---|
| 再装着のみ(保険) | 初診料含め数千円程度 |
| 新しい詰め物(保険・コンポジットレジン等) | 5,000円前後 |
| セラミック等の自費診療 | 別途ご案内(治療前に説明) |
当院は各種保険を取り扱っており、治療前に概算費用をご説明しています。カード決済・分割払いにも対応していますので、費用面でのご不安もお気軽にご相談ください。
差し歯(被せもの)が抜けてしまった場合は、持ち物の準備にも気をつける点があります。
まとめ
- 取れた詰め物はチャック付き袋か小容器に保管。ティッシュは変形・紛失のリスクがあるのでNG。受診時に必ず持参する
- 市販の接着剤で自己修復するのは厳禁。噛み合わせのズレや、内部での虫歯進行に気づけなくなるリスクがある
- 「痛みがない=安全」ではない。象牙質がむき出しの状態は虫歯の進行が非常に速いため、早めの受診が負担を減らすいちばんの近道
- 受診までは「やわらかい食事・ぬるい水・優しい歯磨き」で患部への刺激を最小限にする
- 当院ではCT・マイクロスコープによる精密診断で「なぜ取れたか」を調べ、再発しにくい治療を目指している
詰め物が取れてしまってお困りのときは、博多I’S歯科・矯正歯科にご相談ください。櫛田神社前駅からすぐ(徒歩3分)、平日は20時まで診療しており、土日も診療しています。「急に取れてしまったけど予約が取れるかな…」というときは、24時間WEB予約またはお電話でお問い合わせいただければ、できるだけ早くご案内できるよう努めます。「すぐに来てください」と言われるのが怖い方も、まずはお気軽にご連絡ください。お口のことで困ったときに、頼りにしていただける場所でありたいと思っています。
公式サイト・WEB予約はこちら → https://hakatad-c.com/
参考文献
[1] 日本歯科医師会「歯の詰めものや被せものって?気になる素材についての最新情報」jda.or.jp
